「蓬莱学園メールニュース 1999年 8 月 24日号」


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        ●蓬莱学園の冒険!!~南方発放課後メール●
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            【1999年8月24日号】
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●冥界大抗議! ご先祖様は大切に!
 8月17日未明、下北沢貴史生徒会長の下に、総数3,500人の幽霊が抗
議に押し掛けていたことがわかった。
 蓬莱学園では、毎年お盆の時期に先祖の供養もかねて、イタコ同好会などの
協力の下、大きなイベントを行ってきたのだが、今年は塔の出現などの異常事
態もあり、中止していた。
 ところが、年に一度の後輩たちとの語らいを楽しみにしていた学園生徒たち
の霊がこれに怒り、冥界の番人に特例として1時間だけこの世に戻してもらい、
生徒会長に抗議を行ったという。
 さすがの下北沢会長もこれには驚き、来年は今年の分まで大々的に行うと約
束して、なんとか帰ってもらった。
 今年はこれでおさまったものの、このお盆のイベント(※1)は、開催の度
に大きな混乱(※2)を招いており、中止を歓迎する声も高かった。
 それだけに、式典実行委員会の幹部たちは「今年のお盆は静かに過ごせると
思ったのに……、来年はどうなるんだ」と嘆いている。

※1:その年によって、「お盆祭り」「大霊会」など名称は異なる。
※2:代表的なトラブルとしては、「死んだ恋人と再会した女生徒が後追い自
殺」「生前の恋人が元気でいるのを見て、嫉妬にかられて殺そうとする」「自
分を殺した生徒への復讐」「お盆の恥はかきすてとばかりにイタズラし放題」
「生きている生徒の肉体を奪って復活をもくろむ」などがある。また、霊以外
にもイベント終了後、自分が5人になった、体が半分幽霊化したなど生徒に起
こる異常も多い。

●階層に異変? 塔第4階層はなんとスゴロク!?
 委員会センターを破壊し、今なお学園に混乱をもたらし続けている謎の塔。
その内部構造にちょっとした変化が起きた。これまでは、その階層内なら自由
に探索できたのだが、第4階層は一本道を進むだけであることが判明した。も
ちろん、ただの一本道ではない。階層自体がスゴロクになっているのだ。
 第3階層の出口を最初に発見、第4階層に到達した七瀬愛の話によれば、こ
の階層にはピエロのような案内人が存在するという。
 この案内人の詳しい正体は謎のままである。
 塔を研究している生徒たちの間では、塔の内部は一定のキーワードに該当す
る空間を無理矢理つなげて構成しているという説が有力だったが、スゴロクに
なっているということは、どこかに、塔の内部構成をコントロールするものが
存在していることになる。それが、封印されていると噂されている恐怖の大魔
王なのか? 道化師こそ、大魔王の使い魔なのか?
 スゴロク階層の登場は、生徒たちに新たな論議を呼んでいる。
◎第3階層トップクリア者、七瀬愛(H240694)のコメント
「なんだか、塔に遊ばれているような気もする。
けれど、このスゴロクっていうのは、塔の管理者……
そんなのがいればですけど
その人が$IAMたちにアプローチを開始してきたってことですよね。
ゴールは近いのかもしれない」

●塔第5階層は世界征服の秘密基地?
 スゴロク階層の出現により、新たな論議を呼んだ塔であるが、ついにスゴロ
ク階層が攻略された。攻略した伊予姫小次郎の話によると、案内人ともいえる
道化師の正体はつかめなかったが、あきらかに塔の内部構造に何らかの意思が
反映され始めているのは確かなようだ。
 また、彼の話によると、階層移動の際に感じられる幻聴は、今回は幻影に変
わっていたという。
 なお、肝心の第5階層だが、どうやら構造は従来のものに戻ったらしい。だ
が、彼の話によると、その場所は特撮ヒーローものに出てくるような悪の組織
の本拠地らしい。
 階層に上る際、例の道化師が悪を滅ぼせという意味の言葉を残しており、彼
(彼女)と塔の関係に注目が集まっている。
◎第4階層トップクリア者、伊予姫小次郎(H686656)のコメント
「あーっ、面倒くせえ。要するにここを破壊しろってこと?
じゃあ、パターン通り、動力室か制御室を目指すか」

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「蓬莱学園メールニュース 1999年 8 月 17日号」


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●本土から苦情殺到! 恐怖の合宿
 8月12日から、文学部と漫画研究会合同合宿が行われたが、参加者の行動
が、現地の人たちの顰蹙を買い、学園側に苦情が殺到していることが判明した。
合宿の目的地は、一部の人には有名な本土の有明ビックサイト。そこで行われ
るコミックマーケットへの参加を目的とした合宿である。
 簡単に説明すると、コミックマーケットとは、アマチュア作家(漫画家・イ
ラストレーター・プログラマーなど)が制作・自費出版している本やプログラ
ムディスクを販売するマーケットである。アマチュア作家たちは、自分の作品
を発表する場がなかなかないため、年に2回、このような発表・販売の場を設
けているのだ。これとは別に、同じ目的で開催されているイベントも多い。
 アマチュア作家とはいえども、独自の色を生み出した作家も多く、固定ファ
ンをつかみ、この場を足がかりにプロにデビューする者も多い。また、プロ作
家の中にも、自由に好きなものをかけるという同人誌の魅力に引かれて参加し
ている人もいる。
 もっとも、近年は一部の参加者が行っている、アニメや漫画のキャラクター
の仮装(コスチュームプレイ)が大きく取り上げられることが多く、ゲーム会
社などの企業も参加して各種グッズを売るなど、お祭り色が強くなっている。
 そのイベント会場で、合宿参加者たちが行った事はというと……。
 参加者は、イベント前日の夜に本土に到着すると、そのまま会場へ直行、周
囲で徹夜しながら前夜祭と称したバカ騒ぎを繰り返したのを皮切りに、ロボッ
ト研究会が合体ロボットの合体実験をしたり、警備員に変装して参加者の流れ
を動かしたり、会場に狂的科学部製の全自動印刷・製本機を持ち込み、爆発騒
ぎを起こしたり、会場内で花火を打ち上げたりした。あまりのことに、準備会
が参加禁止処分にしたあとも、あちこちでゲリラ販売をしたり、参加者の熱気
を利用して悪魔を召還しようとしたりした。
 つまり、普段、学園でしていることと同じ事を会場でしたのだ。
 幸いにも、心ある部員たちが警備員たちと協力して事の収集に当たったため、
大事には至らなかったものの、参加者たちからは「出入り禁止にしろ」「一月
後れの恐怖の大王だ」と顰蹙の嵐。「学園の常識は本土の非常識」を証明する
形になった。
 一方、コミックマーケット準備会は、学園に対し抗議を行ったものの、「蓬
莱学園の生徒じゃ何を言ってもムダ」とあきらめの声も多い。
◎下北沢貴史生徒会長のコメント
「……次からは、学園とは関係ない個人で参加して欲しい……」
◎そのコメントに対する参加部員のコメント
「ただ、その場にいるだけでは、蓬莱学園の名がすたる」
「かなり押さえたつもりだけど(会場内で花火を打ち上げた部員)」
「こんなチャンスを見逃せというのか?(悪魔召還を試みた部員)」
「いいじゃない。他人に迷惑をかけているわけでもなし(会場に全自動印刷・
製本機を持ち込んだ部員)」

●てぇへんだ、てぇへんだ! 塔第2階層突入!
 委員会センターを破壊して居座っている謎の塔。幾層の階層に分けられてい
ると判断されるこの塔の最初の階がついに攻略、最初の生徒が第2階層に突入
した。
 ご存じの通り、この塔の第1階層はさまざまな戦場になっている。生徒たち
は、各自の判断でこれらの戦場を駆け抜け、ついに天野蒼二が第2階層へと続
く階段を発見した。ただし、あまりの激戦区のため、赤十字の腕章でもない限
り突破するのは不可能だという。
 そのような苦労を重ねてたどり着いた第2階層だが、そこはなんといわゆる
時代劇の世界であった。あまりの急変ぶりに、日光江戸村か東映の映画村かと
思ったという。
 また、塔の階層移動の際には、幻聴も聞こえたという。だが、関係者の間で
は、塔の階層ごとに張られた結界の隙間から漏れた何かだという意見もある。
 塔は時代劇が最上階なのか? まだ上があるのか? それを知るためにはも
うすこし塔の探索を続ける必要がありそうだ。
◎第1階層トップクリア者、天野蒼二(H315221)のコメント
「戦場でつらい思いをした後だったので、
いきなりの時代劇には気が抜けました。
しかし、この塔の人たちは自分たちの状況をわかっているのでしょうか?」

●真実とは何か? 塔第3階層はあべこべワールド!
 ついに謎の塔の第2階層/時代劇の世界を突破したものが現れた。その名は
七瀬愛。彼をはじめとする探索者の話によると、ここは実際の江戸時代という
よりも、時代劇にふさわしいTVっぽい世界だったという。
 実際、彼が第2階層の執着地点にたどり着いたときには、水戸黄門一行と出
会ったという。彼の助けにより悪代官は倒され、さらに上の階層に渡ったのだ
が、そこで待っていたのは一件ごく普通の何でもない世界だった。
 だが、どうもこの世界は何か一点が我々の世界と正反対らしいとのこと。
 まだ探索を始めたばかりなので、詳しいことは不明だが、これが事実なら、
これまで一部で語られた「塔の内部が別の世界とつながっている」ことに疑問
符が生じる。
 なお、今回も階層の移動時に例の幻聴が聞こえたという。これらの現象に、
一部の生徒から「パズルのピースを一個ずつ渡されているみたいだ」という声
も上がっている。
◎第2階層トップクリア者、七瀬愛(H240694)のコメント
「逆転しているのがわかりやすければ良いんだけど……」

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「蓬莱学園メールニュース 1999年 8 月 10日号」


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●塔探索情報/塔の中は戦場!
 モーゼを装着した生徒たちの報告によると、塔の中は戦場だった。
 空間がゆがんでいるせいか、塔の内部は外側から見た以上に広く、感覚的に
は学園全体がすっぽり入るのではと思うほどだ。
 しかも、中はいくつかのブロック(便宜上、こう表現するだけで、実際に区
切りがあるわけではない)に分かれているらしく、場所によって全く異なる性
質の戦争が行われている。
 生徒たちは、各自の判断でこの戦場を駆けめぐっており、いずれはこの正体
が判明するだろう。
 この戦場において、空間異常学のサダム・アッサーラ講師はこう説明してい
る。
「私自身、塔内部に踏み込んでいるわけではないので断定は出来ないが、報告
から判断すると、塔の内部はある要素を共用する空間が寄せ集められていると
考えられる。入り口付近は、戦争が共用要素になっていると思われる。よく、
ミステリーの短編集などで、密室やアリバイものなどの作品を集めたアンソロ
ジーが出版されているが、それと似たようなものと考えればわかりやすいだろ
う。塔の内部すべてがそうなのか、別の場所では別の共用要素が存在するのか
は、今後の生徒たちの報告を待たねばなるまい」

●異常気象の猛威!
 8月6日、宇津帆島全土で異常気象が発生した。
 各地で地震、雷、火事、親父が観測、他にも屋内竜巻や濃霧の発生、地面か
ら降る雨、時空の混乱などが確認されている。
 これまでも、島の各地で異常気象は確認されていた。南部密林で頻繁に起こ
る突発的氷河期、津波、重力異常などはよく知られているし、教室や大講堂で
も、収容された生徒たちの熱気で台風が発生したのも一度や二度ではない。
 それでも、同じ日に各地で一斉に異常気象が発生するのは非情に珍しい。生
活委員会の発表によると、塔の出現以降、学園の異常現象の発生度が上昇して
いる。
 幸いにも、異常度の上昇が、予測を可能にしている。この日の異常気象も、
気象予報士の放り投げたゲタが、延々と回り続けたという。生活委員会気象部
では、錬金術研究会、雨乞い同好会、恐山愛好会などの協力で、異常気象の発
生日を予測、公表していくことを発表した。

●謎の深まる手話研究会/アイテム交換開始
 手話研究会は、8月10日からモーゼに記された色の数値に見合ったアイテ
ムとの交換を行なうと発表、塔入り口付近に交換所を設置した。
 モーゼにはそれぞれに異なる3色のメーターが存在しており、それが何を示
しているのかは謎のままだった。今回の発表で、それらの色と数値が、アイテ
ム交換のための貨幣としての役割を持つことがわかったが、根本的説明にはな
っていない。そもそも、何を基準に数値が上下するのかはいまだ不明のままで
ある。
 しかも、発表された交換用アイテムのリストを見るかぎり、専門的団体でも
製作は困難ではないかと思われるものが多数含まれている。
 公安委員会は、これらのアイテムの製作・入手過程を手話研究会に問い合わ
せてはいるものの、納得のいく返事はもらっていない。モーゼの一件といい、
手話研究会に対する疑いの目は一層強くなったといえるだろう。
 だが、肝心の生徒たちは「便利だからいいんじゃない」「いちいち追求して
いたらきりがないよ」と素直にこの展開を受け入れているようだ。
○手話研究会のコメント
「各種アイテムを取りそろえております。モーゼの数値が溜まった方は、どう
ぞご利用ください」

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